海外とのオンライン会議は、たいてい英語で行われます。参加者全員が英語に強いとは限らないのに、です。話のペースを決めるのは、英語が母語の人たち。ほかの人は聞き取るのに必死で、発言は減っていきます。うまく言えないのが嫌で、いいアイデアがあっても黙ってしまいます。
よくある回避策も、似たようなものです。同僚がとなりで小声で訳すと、会議全体のテンポが落ちます。短い進捗確認ならそれでも何とかなります。でも、交渉やワークショップ、質疑応答では通用しません。
多言語オンライン会議は、この問題をまったく別の方法で解決します。参加者はそれぞれ自分の言語で話し、ほかの人の発言もリアルタイムに自分の言語で聞けます。この記事では、Interpretwiseでのしくみ、AI通訳にどこまで期待できるか、会議をうまく進めるコツを紹介します。
多言語オンライン会議のしくみ
一般的な通訳付き会議では、通訳はあくまで追加のチャンネルです。メニューで「フランス語」を選ぶと、通訳者1人がメイン言語を訳した音声が聞こえます。ほかの参加者は、結局メイン言語で話すしかありません。
Interpretwiseの会議ルームには、メイン言語がありません。参加するときに選ぶのは、話す言語と聞きたい言語の2つだけです。その後の流れは次のとおりです。
- 発言は話し手ごとに通訳されます。 アダムが英語で話すと、同じタイミングでマリーにはフランス語、トマスにはリトアニア語で聞こえます。マリーがフランス語で答えると、アダムには英語で聞こえます。
- 全員が会議全体を自分の言語で聞けます。 4言語の会議なら、同じ会話が4つの言語で足並みをそろえて進むイメージです。
- 音声と一緒に字幕も表示されます。 聞いている言語で文字も読めるので、名前や数字を確認しやすく、周りが騒がしいときにも助かります。
通訳は話し手より数秒遅れて流れます。人の通訳者が、ひと区切りの内容を聞き取るのにかかる時間とほぼ同じです。まだ通訳を聞いている人がいる間は、話し手の映像枠に通訳音声を再生中と表示されます。次の人はそれを見て少し待つので、通訳にかぶせて話し始めることがありません。小さなことですが、これだけで会話がぐっとスムーズになります。
3つの聞き方
どう聞きたいかは人それぞれです。英語が得意な人なら、元の声を聞きつつ、字幕を保険として表示しておきたいかもしれません。電車の中なら、文字だけで十分という人もいるでしょう。聞き方は参加者ごとに選べて、いつでも変えられます。
- 音声通訳。自分の言語のAI音声が流れ、その後ろで話し手の元の声が小さく聞こえます。声のトーンや笑い声、誰かが割り込んだことも伝わります。音量のバランスは自分で調整できます。
- 字幕のみ。元の音声がそのままの音量で流れ、画面に翻訳字幕が出ます。言葉はある程度わかるので、全部訳してもらうより、確認用の補助がほしいという人に向いています。
- オリジナル。通訳なしで聞きます。話し手が自分と同じ言語で話しているときに便利です。
切り替えはワンクリックで、ほかの人には影響しません。会議中に話す言語を変えることもできるので、2つの言語を行き来するバイリンガルのチームにも便利です。
こんな会議に向いています
全員が不自由なく使える共通語がない会議なら、どんな場面でも使えます。
- 海外拠点やグループ会社を含むチーム。 ドイツの工場、ポーランドの事務所、リトアニアの本社をつなぐ週次の定例会議。つたない英語ではなく、それぞれの言語で話せます。
- 顧客や仕入れ先との会議。 営業の打ち合わせ、技術レビュー、交渉など、全員がきちんと理解し合う必要がある場面。
- 全社集会。 経営陣が一度話せば、社員全員がそれぞれの言語で聞けます。詳しくは多言語の全社集会の進め方をご覧ください。
- 研修やオンボーディング。 講師は1つの言語で話し、参加者はそれぞれの言語で聞きます。参加者の質問も、同じように講師の言語で届きます。詳しくは企業研修での同時通訳で紹介しています。
- ハイブリッドのパネルディスカッションやワークショップ。 リモートの登壇者も、ただ見ているのではなく、会場のイベントに加われます。会場側は音響卓から、1人の参加者として会議に接続します。詳しい方法はハイブリッドイベントの通訳ガイドにまとめています。
- 公的機関や団体。 複数の国から参加者が集まる委員会や会員向けの会議。ブラウザで使えるGDPR準拠のプラットフォームが欠かせない場面です。
AI通訳に期待できること
AI通訳と人の通訳者の違いは、最初に参加者に伝えておきましょう。どのみち1分もすれば気づきますし、驚く人がいなければ、会議はずっとスムーズに進みます。
AIが得意なこと。 事実をはっきり伝える話です。進捗報告、プレゼン、技術的な議論、質疑応答などがこれにあたります。用語がぶれず、名前や数字も正確に伝わり、3時間たっても疲れません。対応言語は80以上。リトアニア語と日本語のように、急いで通訳者を手配するのはまず無理な組み合わせにも対応します。
AIが苦手なこと。 何人もが同時に話す場面、慣用句の多い話、皮肉や冗談です。AIは言われたことを訳しますが、言いたかったことまでは訳せません。通訳者ならまとまりのない文を整えてくれますが、AIはまとまりのないまま訳します。外交、法的手続き、医療の同意取得では、今も人の通訳者のほうが向いています。Interpretwiseでは、特定の言語だけ通訳者を付けて、残りをAIに任せることもできます。
音声の品質は選べます。 標準の音声は明瞭で正確ですが、やや単調です。プレミアム音声は抑揚や間があり、自然な話し方に聞こえます。社内の打ち合わせなら標準で十分ですが、顧客との会議ならプレミアムにする価値があります。
ソフトウェアより大事なのは話し方です。 話すのは一度に1人。文は最後まで言い切る。次の人が話す前に少し間をあける。通訳付きの会議ならどれにも共通する基本で、多言語イベントの登壇者ガイドの内容がそのまま当てはまります。
会議の作成:ホストが決めること
ホストが決めるのは、会議を作るときのいくつかの項目だけです。あとはルームが自動で処理します。
- 言語。 会議で使う言語を選びます。参加者は、入室時にこの中から自分の言語を選びます。言語を1つ増やすごとに費用が上がるので、本当に必要な言語だけにしましょう。
- 入室方法。 リンクを知っている人なら誰でも入れるか、招待した人だけを待機室経由で入れるかを選べます。社外のゲストがいる会議では、待機室を使いましょう。
- 時間。 料金は分単位です。予定時間分の料金が会社の残高から確保されますが、予定時間で強制終了することはありません。クレジットがある限り、会議は続きます。なくなる数分前にはホストにカウントダウンが表示され、ルームを出ずにチャージできます。
- 視聴のみの参加者。 全社集会や説明会では、ほとんどの人にカメラもマイクも必要ありません。視聴者枠を使えば、会議を混雑させずに、より多くの人がそれぞれの言語で聞けます。
- レコーディング。 会議ごとにオン・オフを選べます。終了後には、レコーディング、PDFでダウンロードできる全文の文字起こし、AIによる要約が届きます。
ホストは確定前に、同じ画面で費用の総額を確認できます。あとから思わぬ請求が来ることはありません。現在の料金は料金ページに掲載しています。会議通訳の費用の内訳では、会議ルームとライブイベントの料金を比べています。
参加方法:参加者に見える画面
参加者には、アカウントもアプリも事前の説明もいりません。参加の流れは次のとおりです。
- リンクを開きます。 パソコンでもスマートフォンでも、最新のブラウザで開けます。
- マイクとカメラを選び、話す言語を確認します。ブラウザの設定や前回の選択をもとに、ルームが言語を提案します。
- 聞き方を選びます。 音声通訳、字幕のみ、オリジナルのどれかです。
- 参加します。 誰が参加していて、それぞれ何語で聞いているかがわかります。自分のフランス語が、スペイン語を話す同僚にちゃんと届いているか、心配する必要はありません。
ホストには、おなじみの操作がそろっています。1人または全員のミュート、ミュート解除の依頼、会議のロック、参加者の強制退出、言語を間違えて選んだ人の言語変更などです。チャットやリアクションは、言語に関係なく全員が使えます。
安定性:何よりも音声を優先
多言語会議には、普通の会議とは違う弱点があります。映像が固まっても、なんとかなります。でも通訳が10秒途切れると、参加者の半分が、気づかないうちに話から取り残されてしまいます。
そこでInterpretwiseでは、通訳音声と字幕を「絶対に止めてはいけないもの」、映像を「削ってもいいもの」として扱います。回線が弱いときは、まず映像の画質が下がり、次に優先度の低い映像が止まります。最悪の場合でも、音声と字幕は残ります。モバイル回線が不安定な人も、会議にはついていけます。見える顔が減るだけです。技術面は、リモート通訳の音声設定ガイドとRSIプラットフォームのセキュリティチェックリストで詳しく紹介しています。
費用について
会議ルームの料金は時間単価で決まっていて、課金は1分単位です(1分未満は切り上げ)。最初の1言語は基本料金に含まれ、言語を追加するごとに料金が加算されます。2言語の会議なら、通訳者1人を最低料金で手配するより安くすみます。正確な金額と、自社の条件で試算できる計算ツールは料金ページにあります。
従来の方法と比べてみましょう。1言語につき通訳者2人、半日単位の最低料金、さらに技術スタッフと、通訳ブースかリモート通訳プラットフォームが必要です。たまにしかない重要な会議なら、それだけの価値はあります。でも、グループ会社3社との毎週の定例会議では、これまでとても割に合いませんでした。だからこそ、こうした会議はつたない英語で行われてきたのです。
申し込む前に、まず聞いてみてください
AI通訳を見極めるいちばんの近道は、実際の会話で聞いてみることです。サンプルページでは、実際に通訳したセッションの録音を公開しています。言語を選んで再生すれば、字幕が流れる様子を見ながら、元の音声と聞き比べられます。後から編集した箇所はありません。
自社の会議で試してみたいときは、お問い合わせください。御社の言語に合わせてルームを用意し、最初の会議に一緒に参加して、チームが慣れるまでお手伝いします。
よくある質問
参加者は何かをインストールする必要がありますか?
いいえ。会議にはパソコンやスマートフォンのブラウザから参加します。ゲストはアカウントを作らずに、リンクから入れます。
1つの会議で使える言語はいくつですか?
80以上の対応言語から、ホストが選んだ数だけ使えます。参加者はそれぞれ自分の言語で会議を聞くので、言語が増えても、一人ひとりの聞こえ方は変わりません。
会議中に言語を変えられますか?
はい。話す言語も、聞く言語も変えられます。聞く言語はすぐに切り替わります。話す言語は、いま話している文が終わったところで切り替わるので、訳が途中で途切れることはありません。
1つの言語だけ通訳者を付けられますか?
はい。特定の言語はブラウザ上のコンソールから通訳者が担当し、残りはAIに任せられます。特定の言語ペアが法務上、またはビジネス上重要な場合によく使われる構成です。
会議はレコーディングされますか?
ホストがレコーディングをオンにした場合だけです。その場合、参加者には入室時に通知されます。終了後、ホストはレコーディング、文字起こし、AIによる要約を受け取れます。
予定時間を過ぎたらどうなりますか?
予定の終了時刻になっても、何も止まりません。会社にクレジットがある限り、会議は続きます。クレジットがなくなる数分前にはホストにカウントダウンが表示され、会議を終えずに残高をチャージできます。
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